第6回 公立美術館にも不況の波 ~がんばれ!芦屋市民

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存続か休館かで揺れた芦屋市立美術博物館(芦屋市伊勢町で)

芦屋市は財政改革策のひとつとして、市立美術博物館について、「民間委託を模索し、休館も視野に」と表明した。ここ数年、私立美術館の閉鎖が相次いでいる中で、とうとう公立美術館にも不況の波が押し寄せてきたと見るべきだろう。

芦屋市立美術博物館は、洋画家の小出楢重や、前衛芸術集団「具体美術協会」などの収蔵で知られている。維持費が年1億5千万円かかるのに対し、入場料や図録の販売収入は700万円しかない。

市は?民間委託?民間への売却?委託・売却できない場合は休館、との方針で、2006年度実施を目指すとしている。

自治体財政危機のしわ寄せが、福祉と文化を直撃するのはいつものことだ。芦屋市はとくに阪神大震災からの復興費がかさみ、財政運営が厳しいことは理解できるが、環境的にも歴史的にも「文化都市」のイメージが強い町だけに、将来に禍根を残さない策を講じてほしい。

さいわい、事態を知った市民の中から存続運動が起こった。この市民のエネルギーが、市や市議会を動かすテコになればと願うしかない。

(2004年1月31日)

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