第19回 「ミナト神戸」が泣いている

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病室の窓越しに見た神戸港・モザイクの観覧車(ポートアイランドから)

ポーアイランドにそびえる神戸市立中央市民病院に入院するはめになった。肝臓に腫瘍が見つかり、検査を受けるためだ。その検査がたいへん。腫瘍が悪性か良性かがつかめず、切るか切らないかの判断にいろんな検査が重なり、思ったより長い入院になってしまった。

病室から見る神戸市街地の素晴らしい夜景が唯一の慰め。モザイクの観覧車は色鮮やかに夜空をこがし、目を見張らせる。ライトをつけたポートライナーが橋を渡って来る。かつて六甲山から見る神戸が「100万ドルの夜景」ともてはやされたが、今は海からの方がリアルで楽しい。

ふと、気がついたが昼のポーアイは活気がない。広大なコンテナヤードは空っぽ。大きなキリンに似たガントリークレーンはじっとしている。かつて「クイーンエリザベス?世号」などの世界中の豪華客船が寄港したターミナルも寂しい。「ミナト神戸」の名が泣く。

「ミナト」はどこへ行ったのか。19日の海の日、目立ったミナトの行事は無かった。市民が海に親しめる催しがもっとあってもいい。ひとり活気づいているのが、ボートライナーの新線工事だ。ポーアイ沖に建設中の神戸空港へのアクセス。急ピッチで新しい線路が南へ向かって延びている。「ミナト神戸」に代わって、近い将来、「空港都市・神戸」などと言われないように多くの船が出入りする港にしてもらいたい。

(2004年8月4日)

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