第35回 テナントは見学だけ ~ビルの消防訓練~

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消防訓練での心臓蘇生の模擬訓練。「AED」=手前=の取り扱い実演もあった(神戸市中央区のセンタープラザで)

神戸・三宮の中心街、センタープラザなどの商業ビルで、共同自衛消防訓練があり、テナントの一員として参加した。

「プラザ西館3階の店舗から出火」との想定。模擬の煙がたかれる店舗で、自衛消防隊員がてきぱきと、連絡、消火、負傷者搬送にあたり、訓練は「計画通り」に行われた。このあと、中央消防署から、AEDの取り扱いを含めた心臓蘇生の実際を学んだ。

ところで、AEDって、なに?と思う人が多いはずだ。Automated External Defibrillatorの略で、日本語では自動体外式除細動器という。停止した心臓の回復に電気ショックを与えるための小型器械。昨年の法改正で誰もが扱えるようになり、町のあちこちに設置されている。三宮でも各商店街の防災センターに置いてある。高齢化社会が進むにつれて心臓病で倒れる人が増えている。1秒を争う心臓突然死の対策の一環だ。それにしては、何という名称だろう。「AED」という略語では、なかなか普及しないはずだ。せっかくの威力ある器械だが、使おうにも一般の人は名称で尻込みしてしまいそうだ。もっと分かりやすい日本語の名前をつけるべきだ。

もうひとつ、訓練には各店舗から多くの人が参加したが、大半は見学していただけだった。管理者から「火事になれば、ビル内では自動的にシャッターが降りて・・・・・・」との説明があったが、実際にどのシャッターがどう閉じるのか、それに応じて店内の一般客をどう誘導したらいいのか、といった訓練はなかった。テナントにとって肝心なのは、客の被害を出さないことなのだが。

(2006年1月30日)

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