第13回 美しくない「広告塔」バス

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美しい? 美しくない? 車体に広告を張りめぐらせたバス(神戸市・三宮で)

あなたが地方出身なら、故郷のバスを目に浮かべてみませんか。町までの買い物、学校の行き帰りに慣れ親しんだバスの形と色を鮮やかに覚えているはずです。あなたが神戸育ちなら、あの、白と緑のくっきりした神戸市バスのボディをまず思い浮かべることでしょう。

でも、最近のバスは変ですね。車体いっぱいに広告を張りめぐらして。清涼飲料水、コーヒー、お菓子の「走る広告塔」が、次から次へと停留所にやってきます。赤っぽいのがあれば、青や黄色などと種々雑多。お世辞にも美しいとは言えない配色が目立ちます。デザインもどこかダサい感じがしてなりません。

ボディにペイントするのではなく、既製のシールを使って包むように張るところから、ラップ広告と呼ばれていますが、「売らんかな」の広告主の意図が車体にみなぎっていて、いただけません。

多くの広告料が入るので、市バスやバス会社にとっては経営の助けになるでしょう。しかし、その代償として、「文化的財産」を削っていることに気付くべきではないでしょうか。

すっきりしない色とデザインのバスは、子どもたちにどう映っているのでしょう。それが心配です。

(2004年4月22日)

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