第14回 星野・前阪神監督が功労者だって?

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兵庫県功労者の表彰式がある兵庫県公館。星野さんは出席するだろうか?(神戸市中央区で)

プロ野球・阪神タイガースの前監督、星野仙一さんが兵庫県功労者に選ばれた――との記事を読んで、笑ってしまった。選考理由が「県勢高揚に顕著な功績があった」というからだ。

確かに阪神のセ・リーグ優勝は、県民をおおいに喜ばせた。が、県がわざわざ表彰するほどのことだろうか。星野さん本人は苦笑しているに違いない。県民の中には巨人ファンや中日ファンも多くいるのだから。

そもそも、スポーツ選手らを地方自治体が表彰すること自体、意味が薄い。年度末になると、全国的なスポーツ大会で活躍した中・高校生らを、県や各市、スポーツ団体などが競うように表彰する。こんな必要があるだろうか。スポーツ選手の栄誉は、競技場でこそ称えられるべきだ。戦い終えて手にした栄冠の感激が薄れたころに表彰されても、そう有難くはないように思う。

このような表彰制度は、国の叙勲・褒章と同じ発想だ。時の首長とその政治体制の維持・安定が狙いだ。次の選挙もにらんでいる。「お上」からご褒美をいただいた人たちは、いきおい、その体制に組み込まれていく。自民党が長い間政権を維持してこられた装置のひとつが、叙勲・褒章といえる。

近く神戸市にある兵庫県公館で表彰式がある。星野さんは出席するだろうか。

(2004年5月10日)

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