第34回 新空港をめぐる税投入 ~神戸市の弁明は不可解

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神戸空港利用の旅を誘う商店会のポスター

2月16日の神戸空港開港を控えて、「一番機で飛ぼう」などの呼びかけが街にあふれ、開港ムードが盛り上がっている。だが、財政運営面では、行く手に何やらおかしな雲が立ち始めている。

「神戸空港に市税は投入しない」としていた神戸市がここへきて、空港整備事業会計に市税の一部を繰り入れる起債償還の可能性を示したからだ。1998年の議会で「空港建設に市税を投入しない」との決議をしていた神戸市議会は、市の方針転換にあきれ、野党議員らから批判の声が上がっている。

読売新聞によれば、矢田立郎市長は10月の市長選で「空港にいっさい市税を投入しない」と公約していたという。ところが、当の矢田市長ら市側は「(起債償還は)管理運営費の一部としてとらえられる。建設ではない」と主張し、市議会決議には反しないとの見解を示している。市のこうした姿勢転換は、航空機の着陸使用料収入が大幅に落ち込む見通しになったことに対する措置と受け取られている。就航する航空機は小型機が多く、思うほどの収入につながらないとみられる。

為政者が「白いネズミだ」といえば、黒いネズミも白と認められる、といういのが政治の世界の常識、と言った政治家がいたが、今回の神戸市の態度はそれに似ている。市長選からわずか 3か月足らず。こんな市長を投票率の低い選挙で選んだ市民にも責任の一端があろうが・・・・・・。

3月22日の当コラムで「(空港をめぐる神戸市商法の)お手並みをじっくり拝見することにしよう」と書いたが、我田引水気味の主張を弄することが「新商法」では、先が思いやられるというものだ。

(2005年12月26日)

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