第30回 絵画個展を前に作品紛失
Posted at June 21, 2005Posted by nakayama
先ごろ神戸市内の有名美術画廊で開かれた兵庫県内在住画家の絵画展を前に、主催者側が、その絵画展のメイン作品(10号、油絵)を紛失した。ヨーロッパを題材にした力作だった。
同展の案内はがきに、その作品の写真を大きく載せていたため、主催者は急遽、別の作品をあしらったはがきを刷り直し、「私どもの不手際により(案内状に掲載した写真作品が)出品できなくなりました」との旨の「おわび」を書き添えた。
最初の案内状作成で印刷会社に渡し、戻ってきた作品を主催者が保管しているうちになくなったという。ダンボールに包み、保管棚に置いてあったが、他の展覧会の作品入れ替えなどに紛れて消えたらしい。当の画家は「近くのごみといっしょに捨てられた可能性が大きい」と憤る。
主催者側が手落ちを認めて弁済する手筈になっている。しかし、こんなことでいいのだろうか。作家の魂とも言うべき作品の扱いがあまりにもお粗末だ。文字通り「商品」を扱う態度としか思えない。なくなった作品はかなりの値がする、と聞く。これが、もっと高価な高名な大家の作品だったら「保管棚」扱いではなかっただろう。これといった紛失対策はとられていなかった。「値踏み」したような扱いをしていた画廊側に、「商売」優先の気配を感じて仕方がない。「文化」を商いにしている者の一人として、もって他山の石としたい。
(2005年6月21日)
- Index
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- 第1回 「第九」演奏を聴きにいく?
- 第2回 ミナトの汽笛が聞こえない
- 第3回 初詣は地元の神社で
- 第4回 すっきりしない年賀状の新商法
- 第5回 文化の力で関西を元気に
- 第6回 公立美術館にも不況の波 ~がんばれ!芦屋市民
- 第7回 「貧すれば鈍する」近鉄球団名の売買
- 第8回 指揮棒を振ってみたい?
- 第9回 左、右? エスカレーターどっちに立つ
- 第10回 細るのは残念、生田川沿いの桜堤
- 第11回 「神戸市民球団」の行方
- 第12回 新しい待ち合わせスポットを
- 第13回 美しくない「広告塔」バス
- 第14回 星野・前阪神監督が功労者だって?
- 第15回 ヴィッセル神戸の「旗印」
- 第16回 梅雨入発表はお節介?
- 第17回 泡盛で沖縄の心をつかむ
- 第18回 ポストは赤でなくても・・・
- 第19回 「ミナト神戸」が泣いている
- 第20回 幹線道路の不法と違反
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- 第21回 時代遅れ? 直して使う腕時計
- 第22回 雪が降る。プラザに楽しい企画
- 第23回 国際展の応募作品を紛失
- 第24回 マイカー停車できない三宮
- 第25回 マンションラッシュの正体
- 第26回 神戸の春はどこから?
- 第27回 空港経営、神戸市の手腕は?
- 第28回 残った!町なかの桜の木
- 第29回 新緑の六甲山に親しもう
- 第30回 絵画個展を前に作品紛失
- 第31回 センターサウス通りって?
- 第32回 工事現場に完成ビル出現?!
- 第33回 神戸ルミナリエ、「光の第二章」って?
- 第34回 新空港をめぐる税投入 ~神戸市の弁明は不可解
- 第35回 テナントは見学だけ ~ビルの消防訓練~
- 第36回 12年ぶりにみこし行列 ?4月の生田祭で三宮地区
- 第37回 由緒ある旧居留地の町名 ~「神戸検定」にピッタリ~
- 第38回 神戸市文書館って? ~建物の由来にそむく~
- 第39回 オリックスが大阪中心へ ~市民の観戦が球団育てる~
- 第40回 老舗とともに残したい ~「トアロード」の魅力~
- 「神戸ぶんか」異聞 完結のお知らせ
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