第23回 国際展の応募作品を紛失
Posted at November 10, 2004Posted by nakayama
「ぶんか」の看板を掲げている当コラムとして、ぜひ触れておきたいことが起こった。兵庫県立美術館(神戸市中央区)が、国際公募展の応募書類の一部を紛失していたという。文化人にとっては重大な「事件」に違いない。
同美術館は、阪神大震災から10年の記念事業として被災地の文化復興を示そうと、「兵庫国際絵画コンペティション」を企画した。「大賞」賞金が1,000万円という大型企画だけあって、7、8月の公募期間に約7,900点が集まった。
審査結果の通知が届かなかった人からの訴えで、公募最終日の8月31日に同美術館へ応募書類を持参した約50人分がなくなっていることが分かった。受け付けたのは委託業者。まとめて箱に入れておいた、といっているが、なぜなくなったかは不明のままらしい。一部がなくなったことを知らずに、すでに審査を終えてしまった。
作者の思いを踏みにじった同美術館の責任は重い。集まる書類のチェック態勢を十分に整えていなかったからだ。簡単な受付簿さえ、用意していなかったというから、驚きだ。業者任せの、わきの甘い同美術館に、こんな大型企画を運用する資格があるだろうか。作品に命をかけている作者・作家の側に立てば、こんないい加減の処置はできないはずだ。
(2004年11月10日)
- Index
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- 第1回 「第九」演奏を聴きにいく?
- 第2回 ミナトの汽笛が聞こえない
- 第3回 初詣は地元の神社で
- 第4回 すっきりしない年賀状の新商法
- 第5回 文化の力で関西を元気に
- 第6回 公立美術館にも不況の波 ~がんばれ!芦屋市民
- 第7回 「貧すれば鈍する」近鉄球団名の売買
- 第8回 指揮棒を振ってみたい?
- 第9回 左、右? エスカレーターどっちに立つ
- 第10回 細るのは残念、生田川沿いの桜堤
- 第11回 「神戸市民球団」の行方
- 第12回 新しい待ち合わせスポットを
- 第13回 美しくない「広告塔」バス
- 第14回 星野・前阪神監督が功労者だって?
- 第15回 ヴィッセル神戸の「旗印」
- 第16回 梅雨入発表はお節介?
- 第17回 泡盛で沖縄の心をつかむ
- 第18回 ポストは赤でなくても・・・
- 第19回 「ミナト神戸」が泣いている
- 第20回 幹線道路の不法と違反
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- 第21回 時代遅れ? 直して使う腕時計
- 第22回 雪が降る。プラザに楽しい企画
- 第23回 国際展の応募作品を紛失
- 第24回 マイカー停車できない三宮
- 第25回 マンションラッシュの正体
- 第26回 神戸の春はどこから?
- 第27回 空港経営、神戸市の手腕は?
- 第28回 残った!町なかの桜の木
- 第29回 新緑の六甲山に親しもう
- 第30回 絵画個展を前に作品紛失
- 第31回 センターサウス通りって?
- 第32回 工事現場に完成ビル出現?!
- 第33回 神戸ルミナリエ、「光の第二章」って?
- 第34回 新空港をめぐる税投入 ~神戸市の弁明は不可解
- 第35回 テナントは見学だけ ~ビルの消防訓練~
- 第36回 12年ぶりにみこし行列 ?4月の生田祭で三宮地区
- 第37回 由緒ある旧居留地の町名 ~「神戸検定」にピッタリ~
- 第38回 神戸市文書館って? ~建物の由来にそむく~
- 第39回 オリックスが大阪中心へ ~市民の観戦が球団育てる~
- 第40回 老舗とともに残したい ~「トアロード」の魅力~
- 「神戸ぶんか」異聞 完結のお知らせ
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