第36回 12年ぶりにみこし行列 ?4月の生田祭で三宮地区

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4月に生田祭が行われる生田神社。今回は地元・三宮地区が当番で、商店街をみこし行列が練り歩く(神戸市中央区で)

神戸・生田神社のおまつり「生田祭」の神輿(みこし)行列が4月15日に、12年ぶりに三宮の商店街を練り歩く。この行列は、神戸市内12地区の氏子が順番に担当するしきたり。三宮地区が前回担当したのは大震災の前年、平成6年だった。地元・商店会などで組織する委員会は、今回は震災復興を喜び、同時に神戸空港開港を祝うイベントにしたいと、盛り上げをはかっている。

神戸の大氏神・生田神社の生田祭は、1800年も続くといわれる伝統行事。当日は、午前中に奉幣(ほうべい)祭という神事が本殿であり、午後から神幸祭を行う。神幸祭は、神を神輿にのせて地域を巡る「お渡り」行事。のぼり、?張提灯、太鼓に続いて、獅子舞、武者、お稚児さん、子どもみこし、神輿が歩き、宮司、役員らが従う。地区委員会や神社側は、「みごとに震災復興を遂げた新しい町の様子を神に見ていただきたい」といい、どこをどう巡ればいいかを検討中だという。

もともと神社の祭りの趣旨は、地域の人々と神の出会いの場、というもののようだ。その意味で、このようなイベントを地域の発展とつなげようという考えは、いいことだ。政教分離の原則から、住民にも宗教行事を遠ざける風潮が強まって久しいが、みんなで参加できる行事は、みんなで盛り上げていい。新しい現代的な町並みの中に、古来の行事を溶け込ませるのは、結構ではないか。協力といえば、経済的な援助ばかりではない。物心両面の支援が必要だ。「華美にならず、心のこもった祭りにしたい」というのが委員会の方針。沿道で見るだけでなく、神輿の奉仕者として列に参加するのも、ひとつの協力の形だろう。

商店街は、セールのたびに新企画を打ち出して集客を計るのもいいが、せっかくのすばらしい伝統行事に合わせたPRを考えるのも一手だろう。

(2006年2月20日)

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