第39回 オリックスが大阪中心へ ~市民の観戦が球団育てる~

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スタジアムでの観戦を呼びかける清原と中村選手の写真(神戸・三宮で)

プロ野球・オリックス球団は、いま兵庫県と大阪府で認められているフランチャイズ(本拠地)を、08年から大阪府に一本化する意向を示した。さっそく来年(07年)の神戸での試合数を20に減らすという。

オリックスグループが大阪ドームを買収したとばっちりだ。球団が試合を自分の球場のある大阪に集中したいと考えるのは、経営ポリシーとしては当然のことだろう。しかし、阪神大震災以来、「がんばろうKOBE」を合言葉に、復興の象徴となってきた球団にすっかり親しみを持ったファンは多いはずだ。そんなファンに背を向けることになる。兵庫県からパ・リーグの球団が姿を消し、楽しみにしていた日本シリーズ・阪神対オリックスの「兵庫県マッチ」も夢に終わってしまいそうだ。

今季のオリックスは、清原、中村両選手の加入で、PRにも力を入れている。神戸・三宮の中心にある交通センタービルでも、「スタジアムに見に来てや!!」と、2人の大きな写真を1階のガラス壁面いっぱいに掲げて、ファンに観戦を呼びかけている。

野球ではないが、ヨーロッパのサッカーチームを支えているのは、本拠地の地元市民だといわれる。サッカー評論家のセルジオ越後さんは、「市民1人がシーズンに1回、観戦に行くだけで、チームの経営が成り立つ場合が多い。気持ちの上ではもちろん財政的にもチームを育てるのは、地域住民の応援だ」と説いている。

オリックス・バッファローズが大阪へいってしまう、と嘆く前に自分はいつ応援にいったかを考えてみよう。とりあえず、神戸グリーンスタジアム、いや、正確には「スカイマークスタジアム」へ、足を運ぼうではありませんか。

(2006年6月23日)

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