第33回 神戸ルミナリエ、「光の第二章」って?

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ルミナリエの「光の彫刻」は、昼に見ると白い板。これに無数のランプがちりばめられて、光を放つ (神戸市中央区の東遊園地で)

神戸の歳末恒例「KOBEルミナリエ」が、中央区の旧外国人居留地と東遊園地で9日から始まった。阪神大震災犠牲者の鎮護を願って、その年の 12月から始まった光の祭典は、今年が11回目。美しく輝く光の彫刻は、神戸の冬の風物詩としてすっかり定着した感がある。

この催しに、総額約6億円もの莫大な費用がかかるという。その割には地元への還元が少ないというのが、商店関係者の一致した見方だ。催しは、兵庫県、神戸市、神戸商議所、観光団体などで組織する「委員会」が主催する方式で、資金は、募金や助成金、イベントグッズの売上金などで賄われている。近隣の商店街や企業も大口の募金をしている。しかし、会期中に訪れる500万人もの客の大半は、会場に行って帰るだけというケースが多いようで、商店の売り上げに、なかなかつながらない。

夜の催しだけに、見終わっても商店や飲食店に立ち寄らない。買い物も、会場販売限定の記念品に人気はあるが、一般の商品までには及ばず、商店街は、思ったほど潤わないと聞く。

開催当初は、 3年限りの計画といい、それが5年までとか言っているうちに、「継続を望む声が大きい」と、1年延ばしして10年。今回のテーマは「光の第二章」。よくわからないが、これまでの10回に重ねて、これからの10年に入るのが第11回、との宣言に聞き取れる。

費用の大半が、この「光の彫刻」を創り出したイタリア人アートディレクター側に支払われる。責任の所在があいまいな「委員会」方式を信用しないわけではないが、せめて寄付の行方だけは明確にしてほしいと思うのは私一人だけではないはずだ。

(2005年12月9日)

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