第11回 「神戸市民球団」の行方

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三宮にあるブルーウェーブのグッズショップには、声援を送る張り紙が出て球春を盛り上げる(神戸市で)

球春――。プロ野球が開幕し、春のセンバツ高校野球大会も盛り上がってきた。野球シーズンが始まるこの春先を「球春」という。スポーツ紙の見出しが、いつの間にか定着したらしい。なかなか言い得て妙な表現だ。俳句の季語に採り入れてもおかしくないほど、含みのある言葉といえよう。

プロ野球といえば神戸を本拠地とするオリックスブルーウェーブのスタートが気がかりだ。阪神大震災の年、オリックスは「がんばろう神戸」を掲げ、被災者を励ました。そしてその秋、パ・リーグ優勝を果たした。市民とともに勝ち取った栄冠だ。当時の仰木彬監督は「球場へ通う地下鉄で市民の方から声をかけられ、手紙もたくさんいただいた。初めて地域に密着できたと感じた」と、最近の新聞紙上で振り返っている。

さて、今シーズンのオリックスはどう展開するのだろうか。今度は市民が熱意と声援を送って、「神戸市民球団」にがんばってもらう番だ。その意味から、「グリーンスタジアム神戸」の名が消えたのは残念だ。情報流出容疑のある会社名をかぶせた球場名では、いただけない。また、地下鉄の駅名も「総合運動公園」では、味気ない。市民の足を球場へ向けるようなしゃれたネーミングができないものか。

(2004年3月28日)

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