第25回 マンションラッシュの正体

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フラワーロードの両側で起きているマンション建設ラッシュ(神戸市中央区で)

JR三ノ宮駅から新神戸駅までの主要道路・フラワーロードの両側は、いまマンションラッシュである。いま、というより阪神大震災からの10年間に、というべきだろう。ただ、現在も、三ノ宮駅寄りのいい場所を中心に5棟が建設中だ。そのうちに両側がぎっしりマンションで埋められそうな勢いだ。人気のない早朝に歩道橋から見渡すと、あたかも映画のセットを見ているような感じさえ受ける。

空き地や木造の家屋が、どんどん10?15階の中層マンションに変わっていく。一等地だけに、土地活用の面からは、とてもいいことだ。この辺りは人口がどんどん減ってドーナツ現象が起き、いくつかの小学校が統合・廃止されただけに、住民の数が戻れば、と期待した。が、ふと気がついた。どの建物にも植栽や子どもの遊び場がない。どれも敷地いっぱいに建てられていて、生活感が伝わってこない。それもそのはず、マンションといっても家族用が少なく、大半がシングル用かオフィス用だからだ。

とはいえ、マンションが林立する風景は、街の景観を美しくしている。神戸市の表玄関といえる新神戸駅から最大の繁華街に続く道路は、県外客らにいいイメージを与えているに違いない。これも「震災復興」の一面なのだろう。

(2005年2月1日)

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