第29回 新緑の六甲山に親しもう
Posted at May 12, 2005Posted by nakayama
新緑の季節だ。六甲山の木々の緑が目に眩しい。市街地の背後に屏風のようにそびえる 六甲山は、神戸市民にとって最も馴染みのある山だ。
しかし、この六甲山が100年前は岩砂むき出しのはげ山であった事実を知る人は少ない。当時の人々が生活の糧に木々を伐採したため、丸裸になったのだ。そこで神戸市が植林を始め、100年をかけて現在の姿に甦らせた。六甲山はこの一世紀の間に、人間の愚かさと英知を経験した山かもしれない。
もし神戸に六甲山が無かったら、神戸の魅力は半減する。30分あれば海にも山にも行ける。そんなアクセスのよさが神戸の売りだ。1,000万ドルの夜景も六甲山があればこそ。ミナト神戸も六甲山というパートナーを得て、いっそう輝きを増すのである。
そして、忘れてはならないのがあの大震災。人工的なものはことごとく被災したのに、六甲山の佇まいは変わらなかった。あの時、六甲山は無言で人々を癒したのだ。六甲山よ、ありがとう。
布引の滝の登り口に住んでいる私には、六甲山は近すぎて、いつでも行けると思うのか、なかなか足を向ける機会が少ない。 日ごろの喧噪から、簡単に抜けられる六甲の自然。こんなにいい環境を利用しない手はない。大いなる六甲山に見守られて暮らす神戸市民に呼びかけたい。「もっと六甲山に親しもう」と。
(2005年5月12日)
- Index
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- 第1回 「第九」演奏を聴きにいく?
- 第2回 ミナトの汽笛が聞こえない
- 第3回 初詣は地元の神社で
- 第4回 すっきりしない年賀状の新商法
- 第5回 文化の力で関西を元気に
- 第6回 公立美術館にも不況の波 ~がんばれ!芦屋市民
- 第7回 「貧すれば鈍する」近鉄球団名の売買
- 第8回 指揮棒を振ってみたい?
- 第9回 左、右? エスカレーターどっちに立つ
- 第10回 細るのは残念、生田川沿いの桜堤
- 第11回 「神戸市民球団」の行方
- 第12回 新しい待ち合わせスポットを
- 第13回 美しくない「広告塔」バス
- 第14回 星野・前阪神監督が功労者だって?
- 第15回 ヴィッセル神戸の「旗印」
- 第16回 梅雨入発表はお節介?
- 第17回 泡盛で沖縄の心をつかむ
- 第18回 ポストは赤でなくても・・・
- 第19回 「ミナト神戸」が泣いている
- 第20回 幹線道路の不法と違反
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- 第21回 時代遅れ? 直して使う腕時計
- 第22回 雪が降る。プラザに楽しい企画
- 第23回 国際展の応募作品を紛失
- 第24回 マイカー停車できない三宮
- 第25回 マンションラッシュの正体
- 第26回 神戸の春はどこから?
- 第27回 空港経営、神戸市の手腕は?
- 第28回 残った!町なかの桜の木
- 第29回 新緑の六甲山に親しもう
- 第30回 絵画個展を前に作品紛失
- 第31回 センターサウス通りって?
- 第32回 工事現場に完成ビル出現?!
- 第33回 神戸ルミナリエ、「光の第二章」って?
- 第34回 新空港をめぐる税投入 ~神戸市の弁明は不可解
- 第35回 テナントは見学だけ ~ビルの消防訓練~
- 第36回 12年ぶりにみこし行列 ?4月の生田祭で三宮地区
- 第37回 由緒ある旧居留地の町名 ~「神戸検定」にピッタリ~
- 第38回 神戸市文書館って? ~建物の由来にそむく~
- 第39回 オリックスが大阪中心へ ~市民の観戦が球団育てる~
- 第40回 老舗とともに残したい ~「トアロード」の魅力~
- 「神戸ぶんか」異聞 完結のお知らせ
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