第16回 梅雨入発表はお節介?

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道端に咲くアジサイの花。梅雨によく似合うアジサイは神戸市の市花になっている(神戸市中央区熊内町で)

近畿地方が6日、東海、関東甲信地方と同時に梅雨入りした。たしかに神戸地方は6日夜半から7日未明にかけて雨に見舞われたが、7日は快晴。午後には六甲山付近に入道雲さえ出現した。

もっとも気象庁の6日の発表は「梅雨入りしたとみられる」と、断定を避けた表現になっている。もともと気象学的に「梅雨入り」の定義はないからだ。それだけでなく、もう10年も前だったか、梅雨明けを宣言したあと1週間も土砂降りが続いて世間から批判を受けて以来、「入り」も「明け」も、「みられる」というボカした表現にしたのだ。

いったいに農林漁業に携わる人たちは、他人に天候や気象のことを教わっても信用しない。「あの峰の上にうす雲がかかると雨になる」「あの岬と島の間に赤いに雲がたなびくと晴れる」など、自然を相手にした知恵が代々の言い伝えとして蓄積されている。別に気象台から「梅雨入り」と教わらなくても、自分の肌が一番よく知っている。

気象衛星などの発達で天気予報の確度は高くなったが、いまだに気象予報士なる人が、ラジオ放送で「明日は天気になってくれるかな」などと言っている。根拠が不十分で自信がないからだ。

天気予報を信用するかしないかは個人の勝手だが、本当に必要な人は自分でしっかり予報している。

(2004年6月10日)

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